バンド「HAMMERFALL」

スウェーデンのイエテボリ出身のピュア・メタル・バンド。

ピュアというだけにオールド・ファッションな

正統派メタルにこだわっており

それに北欧の様式美を加えた音楽で

日本では他のメロスピ・バンドに比べると

それほど知名度はないようだが

ヨーロッパ特に国内では絶大な人気で

国民的ヒーローみたいな扱いである。

 

(l. to r.)

Fredrik Larsson(フレドリック・ラーソン)<b>

Oscar Dronjak(オスカー・ドロニャック)<g>

Joacim Cans(ヨアキム・カンス)<vo>

Pontus Norgren(ポンタス・ノルグレン)<g>

Anders Johansson(アンダース・ヨハンソン)<ds>

 

イエテボリと聞くとメロデス・バンドらを思い浮かべるが

このHAMMERFALLも強ち外れではなく

デス・メタルを演奏していたオスカーと

メタラーならご存知のイェスパー・ストロムブラードが

中心となって結成された。

だがデス・メタルをやっていたのではなく

正統派メタルをやるという目的で

サイド・プロジェクトのような扱いだった。

だが次第にオリジナルを作りはじめ

パーマネントに活動できるメンバーを集め出した。

アンダースは知っている人も多いが

STRATOVARIUSのイェンスの実兄で

長い間活動を共にしてきたのに現在は脱退している。

現在はサポート・メンバーを起用しているのだろうか。

 

1997年 1st  GLORY TO THE GRAVE

 

 

1. The Dragon Lies Bleeding ◎

2. The Metal Age ◎

3. Hammerfall ◎

4. I Believe ◯

5. Child Of The Damned ◯

6. Steel Meets Steel

7. Stone Cold

8. Unchained

9. Glory To The Brave ◎

 

正統派メタルが廃れてきた90年代に衝撃的なデビュー。

彼らによってまた正統派が見直されたといっても

過言ではないだろう。

レザーに身を包んだ衣装も影響したのか

若者にはこれが新鮮に映ったのかもしれない。

ヴォーカルの線が細く少々パワーに欠けるのだが

これが逆に聴きやすさを与え

このわかりやすいオールド・スクールをバックに

哀愁あるメロディを乗せて歌う様は

意外に物足りなさは感じずすんなり聴けてしまう。

バンド名を冠した曲はもろにライヴ向きで

全体のスピードも十分の傑作。

 

2000年 3rd  RENEGADE

 

RENEGADE

 

1. Templars Of Steel ◯

2. Keep The Flame Burning ◎

3. Renegade ◎

4. Living In Victory ◎

5. Always Will Be ◎

6. The Way Of The Warrior

7. Destined For Glory

8. The Champion

9. Raise The Hammer

10. A Legend Reborn

 

ミドル・テンポの曲をオープニングに持ってきてしまい

拍子抜けする人もいるだろうが

私はそれほど駄目だとは思っていない。

寧ろバラードを含め全体のメロディが優れていて

かなり上位に食い込むほど好きである。

ただサウンドだけがチープっぽく

純粋なメタルをやるには合っていないのが残念なところ。

疾走曲に関しても前2作を超越するような曲は

ないかもしれないが何故か引きつけられる魅力がある。

 

2002年 4th  CRIMSON THUNDER

 

CRIMSON THUNDER

 

1. Riders Of The Storm ◎

2. Hearts On Fire ◎

3. On The Edge Of Honour ◎

4. Crimson Thunder ◯

5. Lore Of The Arcane

6. Trailblazers ◎

7. Dreams Come True

8. Angel Of Mercy

9. The Unforgiving Blade

10. In Memoriam

11. Hero’s Return

BONUS TRACKS

12. Crazy Nights

13. Renegade (LIVE)

14. Hammerfall (LIVE)

 

Hearts On Fireを地元の女子カーリングチームに提供し

一緒にPVを作ったりと今やすっかり人気者になった彼らだが

このアルバム自体はそれほど愛聴していない。

何故なら後半の印象がまるでないから。

Hearts On Fireを含め確かに前半のテンションは高いが

メロディは前作より落ちているし

ミドル・ナンバーの印象が強いのである。

よって散漫な印象を受け

これを積極的に聴こうという気持ちにならない。

でもこのバンドってなんか魅力あるんだよな。

Crazy Nightsは我が国の英雄LOUDNESSのカヴァー。

断然にオリジナルの方が良い。

 

2005年 5th  CHAPTER Ⅴ: UNBENT, UNBOWED, UNBROKEN

 

 

1. Secrets ◎

2. Blood Bound ◎

3. Fury Of The Wild ◎

4. Hammer Of Justice ◎

5. Never, Ever ◎

6. Born To Rule ◯

7. The Templar Flame ◯

8. Imperial

9. Take The Black ◯

10. Knights Of The 21st Century

BONUS TRACKS

11. Blood Bound(INSTRUMENTAL)

12. The Metal Age(LIVE)

 

アヴァロン・レーベルに移籍。

私はこのアルバムが出会いだった。

初めてだったしとても思い入れがあるので今でも好きだが

そういう先入観がなかったとしても

本作のクオリティは高いと思う。

本作の最大の特徴はわかりやすさだろう。

きっとこの手の音楽を聴く人なら

2, 3回でフレーズを覚えられるだろう。

それくらいギターやヴォーカルのメロディは印象的で

一緒に叫びたくなるようなコーラスも相まり

ライヴを体験してみたいと思うに違いない。

ただキラー・チューンというものがあるわけではなく

10分あるKnights Of The 21st Centuryという構成力の試みもあり

それも新たな魅力となっている。

まあその魅力を際立たせてくれているのが

VENOMのクロノスというのが面白い。

 

2009年 7th  NO SACRIFICE, NO VICTORY

 

 

1. Any Means Necessary ◯

2. Life Is Now ◎

3. Punish And Enslave ◎

4. Legion ◯

5. Between Two Worlds

6. Hallowed Be My Name

7. Something For The Ages

8. No Sacrifice, No Victory

9. Bring The Hammer Down

10. One Of A Kind ◎

11. My Sharona

 

前作の存在に気付かず

またベスト盤やカヴァー・アルバムを発表したが

それが一種の区切りだったのか

ここで久々にメンバー・チェンジが行われた。

ベースのマグナス・ローゼンに代わりフレドリック・ラーソンに。

ギターのステファン・エルムグレンに代わり

もう一つの国民バンドTHE POODLESの

メンバーであったポンタス・ノルグレンに。

彼はもっと激しい音楽をやりたいという理由で

このHAMMERFALLに移籍してきた。

全体的に路線は変わらないし

これまでと同様に一撃必殺があるわけではないのだが

安定した作りになっているのはさすが。

またインストのSomething For The Agesにアンダースの弟イェンスが

さらにイェスパーが久々に作曲に携わったOne Of A Kindなど

注目すべき点は多いかもしれない。

My Sharonaは勿論一発屋のTHE KNACKのカヴァー。

因みに前々作にもあったがLegionで唸っているのは

毎回ジャケットに登場するキャラクターなの?

 

2011年 8th  INFECTED

 

INFECTED

 

1. Patient Zero

2. B.Y.H. ◎

3. One More Time

4. The Outlaw ◎

5. Send Me A Sign

6. Dia De Los Muertos ◎

7. I Refuse

8. 666 – The Enemy Within

9. Immortalized ◯

10. Let’s Get It On

11. Redemption

 

あれーついに彼らも転機がきたのか?

これまでジャケットに登場してきた

ハンマーを持つキャラクターHECTORが消え

バンドのロゴまで変わっているではないか!

またレーベルも変わってます。

彼らもアメリカを意識してしまったのか

それともMETALLICAのSt. Angerのように

怒りを吐き出したかったのかわからないが

このモダンなサウンドは彼らには合わないし

こんなことをファンは求めてないのは事実だろう。

しかしだから駄作というわけではなく

ハードコアの雰囲気は取り入れているが

疾走曲もあるし

楽曲自体はそれほど変化している印象はないので

微妙な心境というか中途半端な印象だ。

もう無理しないで純粋にメタルを楽しもうぜ!

あの最後の変な音は何ですか?

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