ざさいたま
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大岳山(滝本・日の出)

遠足で登る山

 都内から奥多摩方面を眺めると、大きな形の変わった山があることに気づく。山は二段階になっていて、一部分だけ張り出している。大岳山である。青梅側の人であれば、中学生の遠足の定番の山で、一度は登ったことがあるという。残念ながら私は近くに住みながら、一度も登ったことがない。山にはあまり興味が無かったこともあり、ただ遠くからなんとなく眺めていた。
 雲取山に行ってから山について興味がわいてきた。それまで人に連れられて、消極的に北岳、赤岳等の標高が高い山に登ったことはある。私は計画を立てるようなこともせず、ただつれられて辛い経験をするだけであった。辛い経験だけが印象に残り、山登りの魅力がわからなかった。自転車を始め体力に余裕があるようになり、それまで気づかなかった部分に気づいたのであろう。山登りは楽しいと。本格的な登山をする前に、すくなくとも近所の山は最低登るべきである。大岳は登らなくてはならない。

弟をつれて

 三頭山につづいて、弟とともに大岳山に登ることにした。季節は冬。日の出山に登った時に幾分凍結していたので、アイゼンと防寒着を揃えてから登ることにした。計画は御岳山登山口より、体力の消費を抑えるため、ケーブルカーに乗り込み標高を稼ぎ、御岳から大岳に向かう。登頂後、日の出山経由で下山という流れである。体力があれば十分できるはずだ。
 御岳山に到着、ケーブルカー駅を目指す。駅には張り紙が貼られていた。現在調整のため営業していないことを告げられた。林道から登らなくてはならない。単調な林道を進む。「ロードバイク1)で登ることは出来なくも無いだろうけど、交通量がそれなりにあり危険だね」と冗談を言いながら、御岳に到着した。御岳を後にすると、凍結した登山道が続いていた。アイゼンで雪と氷のなかを進む。ザクザクと氷を砕く音は軽快である。氷を必要以上に砕くと体力を奪うので、程々に楽しむのがいい。
 途中道を間違えて、奥の院・鍋割山方面へ行ってしまった。間違えてもルート上問題ないが、新雪の中を進まなくてはならない場面や、危ない斜面を横切らなくてはならない箇所もあった。道を間違えるとろくなことはない。足跡が残っているうちに引き返すのも手である。新雪の中進むことは勇気がいる。ひよっとしたらまた遭難するのではないか。そうこうしているうちのメインルートと合流した。
 噂通りの鎖場と、凍っている道。行ったことが無いので、何が待ち構えているかわからない。低山だからといって気を抜けない。幸いにして特別な難所は無かった。危険箇所には看板があり、険しい部分には鎖と階段がついていた。山頂に到達した。弟と登頂の喜びを分かち合う。弟も大岳に登ったことが無かった。大岳の見晴らしは良好で、美しい展望の中食事を済まし珈琲を入れる。いずれ奥多摩駅からもこの地に立ちたいと余計なことを思う。
 下山中、凍っている道で立ち往生しているグループに出くわした。「この先も凍っていますか」と聞かれた。凍っていること、アイゼンがないと難しいことも告げた。話を聞くとグループは引き返してくれた。軽アイゼンは冬場の低山のマストアイテムである。
 しばらくすると弟が足の痛みを訴えてきた。少し休憩を入れ再び歩き出すが、痛いという。ケーブルカーに乗れなかったのが、まずかったのかもしれない。山の中で痛くなると、都会とは違い近くの駅まで行き電車に乗って帰ることもできない。手を挙げどもタクシーは来てくれない。ヘリもそう易々と呼べるものではない。ともかく頑張ってもらって日の出山経由で下山した。このことが原因で山を嫌いにならなければよいのであるが。

注:
 1)ロードレース競技用の自転車。山の林道を上るレースはヒルクライムと呼ばれて人気がある。
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