ざさいたま
その他 奥多摩 自転車 音楽 リンク集

三頭山(都民の森)

自転車の聖地

 風張峠から少し離れた所にある都民の森は、自転車の聖地として知られている。登山者も多いが自転車も多い。私も自転車が好きなため、ここを何度訪れたかわからない。五日市から都民の森・風張峠・奥多摩湖・五日市へと戻る奥多摩周遊コースは、手軽で行楽としても楽しい。
 何度も訪れたとはいえ、都民の森の中に入ったことは数えるくらいしかない。数年前少し歩きすぐに戻って来たこともあったが、子供の頃連れられた微かな記憶ぐらいである。山頂に行ったことはこれまで無かった。記憶しているのは、山であること、都営の体験施設があること、滝があることぐらいで非常に曖昧だ。
 雲取山登山に成功した私は自転車だけでなく山にも興味が湧いてしまった。平安時代の専門家の三橋先生1)をお呼びして、曖昧な記憶のなかの都民の森を解明し、ついでに三頭山を極めようとした。先生は以前から三頭山に登ることを計画していられたが、なかなか機会がつかめなかったらしい。

侮ってはいけない

 弟にも参加をしてもらい、彼の車で都民の森を目指す。自転車ではそれなりの坂である。車も唸る都民の森までの道は、やはり相当な坂であるようだ。都民の森の中は東京都の公園としての側面もあり、登山道の整備は行き届いている。ハイキングまで含めた総合的な自然体験型公園として、設計されていることがわかった。また複数の自然観察路がもうけられていて、春先に訪れるとよさそうである
 素直に山頂まで最短距離で行くのは退屈なので、遠回りすることにした。先生の足は早い、みるみるうちに登ってしまう。私はなんとかついていったが、弟はかなり辛そうだった。山頂付近では雪が見えた。麓は初雪すら降っていないが、ここでは一足早く雪が訪れたようだ。山頂につき展望を満喫した後、食事に取りかかる。月並みで申し訳ないが、こういう所で食べるカップヌードルはおいしい。食後のコーヒーはさらに旨い。飢えている私たちに気づいたのだろうか、近くの夫婦が茶菓子を差し出してくれた。ありがたくいただき、礼を述べた。暫く先生と談話をし、下山することにした。先生は山が好きである。私が登ったことも無い地方の山を多く知っている。経験豊富な先生は、まだ登りたい山があるそうだ。先生の希望で、違うルートから遠回りして下山することにした。大沢山を経由するルートだ。暫くはルート通りに進めたと思う。途中の分岐がわからず、道らしい道を見つけ進んだ。これがよくなかった。道に迷ってしまったらしい。「先生道に迷ってませんか」と聞いた。「悪いが、迷ってしまった」と先生が答える。先生と行く登山は愉快でもあるが、たびたび道に迷う。弟は相当困惑している。
 定石からゆければ尾根をたよりに引き返し、元の登山道と合流すべきである。先生はこのまま行こうという。道なき尾根を幾度かの困難を超え進む。漸く下界の音がして来た。何かしらの道は近い。滝の近くの登山ルートと合流することができた。断崖絶壁でなく良かったと思う。滝の上では笑い者である。合流地点で先ほどお菓子を分けてくれた夫婦に、偶然にも出くわした。「すごい所から出てきましたね」と言われてしまった。「すごい所から出てきてしまったんです」と受け答える。まことに恥ずかしい。
 整備が行き届いた体験型公園で、まさかの道迷いである。今回はたまたま遭難しなくて良かったが、方向音痴な私たちは、地図だけでなくGPS等も持ち歩くべきであると思った。また山は山で公園でない、それなりの覚悟をする必要があるもことを学んだ。

注:
 1)明星大学教授三橋正先生。研究分野は平安時代の具注暦。私の恩師である。
  戻る
saitama web-framework (c) 2007-2012 thesaitama. All Rights Reserved.