ざさいたま
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雲取山(富田新道)

山をなめている

 これまで雲取山は三回登った。よく飽きなかったとおもう。今回はプログラマの後輩をつれて登ることにした。登山前日に東青梅のボロアパートに来てくれるとのことで約束をした。来てくれたものの、なんと飲み会の直後だという。山登りを完全になめている。ともかく怱怱に彼を寝かし、翌日調子が悪ければご帰宅願うことにした。
 彼は若い。「酔いは醒めてなんとか登れそうです」という。足早に電車に乗り込んだ。外を眺めると天気が悪い。山に近づくにつれて霧がかって来た。「天気が悪いからよそうか」と私が言う。「せっかく来たのだから登りましょう」と彼は言って飲みの疲れで寝てしまった。寝ている彼をおこしバスに乗り込むが再び寝てしまった。目的の東日原バス停についた。引き返すにはここが最後である。
 移動時間を殆ど寝た彼は元気を取り戻し、私は逆に疲れた。

濃い霧に包まれて

 コースは富田新道。雲取山では比較的マイナーなルートになると思う。雲取山の初代管理人富田氏が自力で開いた道らしい。林道を二時間程度歩き、登山口を発見。小さくわかりにくいので、うっかりすると見逃してしまうかもしれない。都会に住む彼は「すごい、すごい」を連発し興奮気味だ。登山歴を聞いたところ高尾山しか登ったことがないという。道理ではしゃいでいる。暫く登ると彼が疲れてきた。私はというと急坂で脚にきたらしく、スズメバチを振り切ったところでつってしまい、二人で大休憩をいれることにした。天気はますます悪化し、雨こそ降っていないが霧で先が見えなくなってきた。踏み後もはっきりしない。悪い予感がしてきた。時間的にいまから戻ることは難しい、尾根筋に出て山小屋をめざすのが賢明だ。それにしても霧がすごい、GPSをたよりに登山ルートをトレースし進む。彼のスマートフォンで念のためにGPSをつけてもらうが、現在地をキャッチできない。つまり私のものが調子悪くなるとお手上げだ。天候が回復するまで適当な場所でビバークしなければならない。所々の踏み後に勇気づけられるが、踏み後をよく見ると熊の足跡がある。bestia non grata1)。カモシカならよいものを。ビバークも恐ろしい。
 容赦ない登り、湿度が高く滑る。暫く進むと道は多少明るくなるも、天気はますます悪化し雨まで降ってきた。霧は相変わらずであるが、踏み後はしっかりしているので、山小屋までは迷わなそうだ。ようやく鞍部に入ったようだ。驚いたことに登山者に出くわす。こんな天候が悪い中行くのは、よほど山が好きなんだと関心してしまった。後輩はえらく感動している。先ほどとはうってかわって携帯電話のカメラで撮影を楽しみ陽気だ。連れてきた甲斐もある。富田新道ははじめは暗い印象を受けたが、ある程度登ると道は明るくなり気持ちよい。石尾根に至り、景色を期待しようにも期待できなく霧の中、山頂を目指す。

しつこい雨

 山頂に到達。天気は一向に回復しそうにない。高尾山にしか登ったことがない彼には残念であるが、景色はお預けである。またの機会に登ってもらうしかない。きりの中で記念撮影をし、足早に埼玉県側の雲取山荘でテントを設営した。設営と同時に雨は本格化した。彼のスマートフォンで天気を確認する。雨は明日の朝まで続くそうである。安堵から、下界の飲み物が飲みたくなった。山小屋で400円のコーラを買う。埼玉十万石コーラ2)、旨い、旨すぎる。二人とも疲れてしまった。雨の日はよく寝られる。
 朝起きても雨は止んでいない。早朝六時頃には出発したかったが、九時をすぎてもやまないので、あきらめて出発することにした。雨の中のテントの撤退は予想外に難しい。二人がかりでないとうまくいかない作業ではないだろうか。テントをたたみ、慣れている鴨沢ルートより下山した。客観的に見ればただ疲れにいっただけの登山になってしまったが、私からすればそれなり収穫があったように思う。また天気がいい日に、後輩を連れて登りたくなった。

注:
 1)好ましくないのはursus(熊)である。
 2)ただのペットボトル入りのコカ・コーラである。
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