ざさいたま
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雲取山(鴨沢・春のテント泊)

テント泊を計画

 季節は秋。初めての雲取山行に成功した私は気を良くして、小屋泊まりでなくテント泊に挑戦したくなった。初山行でルートの概要を摑んでいたので、装備さえ整っていれば大丈夫であると思っていたのである。しかし、なんといってもテント泊である。テントの重量に加え、食料を持ってゆかねばならず装備は重い。前回の山行で限界気味だったため体力的な不安もある。装備を揃えて計画を立てているうちに当初の楽観的な観測は消え去り、テントでの雲取に挑戦する前にトレーニングめいたものをしなければならないと悟った。
 トレーニングのために近くの山に良く登るようになった。奥多摩の「三頭山」「大岳山」「御前山1)などに初めて登る。三頭・大岳は、小・中学生が遠足で来るような山であるらしいが、私には初めての経験で新鮮であった。そうこうしているうちに季節は冬になり、日帰り登山でも軽アイゼン2)が必要になった。素人は冬の雲取に挑戦するわけにはいかない。雲取登山は冬が終わり春を待つ必要がある。

春が来た

 四月になりいよいよ春の到来である。町には春の到来を知らせる植物が溢れる。近くの山では軽アイゼンが不要になるものの、山は肌寒い。五月頃にならないと春を感じられそうもない。山があたたかくなるまで待つことにした。

テント登山敢行

 当初の計画から実に半年以上の時間が経ち、いよいよ実行に移す時が来た。ちらほらあたたかいと感じる日が多くなり、山でもしのげるくらいになっていると思ったのである。地上での最低気温は10度前後、いくら山は寒いとはいえマイナス2度よりも下回ることはないと考えた。食料も必要以上に持ち、装備のチエックを澄ました。
 今回は相方と登った。当日は寒いと感じることもなく順調にスタートした。心配された装備の重さはトレーニングの成果か、脚が動かなくなるほどの重さでもなかった。それでもテント場の奥多摩小屋に着いた時には疲れが出ていた。到着時間が遅く、すでにテント場には平坦な地面が残っていなかった。傾斜がゆるそうな斜面に、慣れない手つきでテントを設営した。
 私の寝袋はマイナス2度まで、彼女の寝袋はマイナス4度まで対応できる。大丈夫な筈。が、私の予想は大きく覆された。午後六時を過ぎる頃気温は急激に下がった。温度計こそなかったが、おそらく気温はマイナス10度ぐらいだったと思う。深夜近くのテントから寒い寒いと聞こえる。私たちは寒い寒いと言う余裕はない。寝付けるどころでもなく、なんとか体温を維持しようと必死だった。寝袋の中でダウンを着込んでも寒かったのである。おまけに寝床には傾斜がある。ずるずると落ちてくるため、姿勢を維持するために無駄な体力を使わないといけない。寝袋の中でもがいているとようやく夜が明けてきた。このときは「本当に助かった」と思った。朝お湯を沸かした。火をとめてしばらく放っておいたら凍りついていた。

注:
 1)いわゆる奥多摩三山。
 2)簡易アイゼン。本格的なものよりも爪等が簡略化されている。
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