ざさいたま
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iPad2に求めること

このままだと私はiPad2にも魅力を感じない

 私はAppleの製品を近年多数購入したにも拘わらず、熱狂的に注目されたiPadを未だ購入していない。世間であれほど、電子書籍、新しいコンピュータとして注目されたのに未だ購入していないのだ。購入を検討したことはあるが、Appleが提供してきた近年のMacとは全くの別物であるため、強いて購入しようとは思わない。購入しない言い訳をしてみたい。
 そもそも近年Appleに乗り換えたのは、以下の点が非常に魅力的であった。
  • UNIXライク1)なOSを搭載している
  • PC-BIOS2)のようなレガシー3)なブートをしない
  • 開発環境が無料で提供されていて、ユーザは好き勝手にプログラムを作成し、公開できる
  • 標準搭載フォントが美しいく、UIが洗練されている
  • 低価格(UNIXと比較して)

iPadもMacと変わらないようだが

 上に列挙した点を見るとiPadもMacのそれと大きく変わらないようだが、根本的に違うことがある。それは開発環境が有料で、プログラマは作成したプログラムを配布するときにAppleに許可を求めねばならず、Appleが許可をしない限りプログラムを配布することはできない。また、エンドユーザはAppleが許可しないプログラムをiPadにインストールすることはできない。
 つまりユーザには自由がなく、Appleが監視・管理する範囲でしかデバイスを利用できないのだ。ハードウェア、ソフトウェアは洗練されていても、プログラムの自由がないコンピュータに対し私は魅力を感じない。ユーザ、外部の開発者は茅の外であり、あくまでもユーザはAppleの思惑通りにしかうごかない「羊」であることを強要されているのだ。「山羊」はお断りなのである。

さらなる利潤を求めて

 Appleは近年復活に成功し、驚異的な成長を遂げた。その成長・発展をいいことに、さらなる利潤を求めて、上記の戦略を行った。いまやユーザを囲い込むことのみを目的にしているように思える。そのため、私はiPadに魅力を感じず、未だに購入していないのである。
 勿論、プログラムをするユーザは限られる。が、プログラムをするユーザを取り込むことが出来るかが、プラットフォームの将来的な発展を左右する。このことについては過去にAppleが大いに悩んだことだ。実際同社はMacOSXで熱心なプログラマ層を確保するのにかなりの時間を要した。エンドユーザはOS9を使いつづけ、プログラマはUNIXを好んだ。しかし、AppleはMacOSXでの経験を生かしていないのである。一度確保してしまえば、プログラマたちは離れることはないとでも思っているようである。
 AppleはMacで幅広いプログラマ層を確保することに成功したため、制約が多いiPadでも、それなりのプログラマを確保することができるだろう4)。しかし、今後もこのような制約をプログラマに課しつづけた場合、折角確保したプログラマたちは離れてしまうだろう。プログラマというものは「羊」ではなく「山羊」でり、常に自由を求めるものだ。プログラマが離れてしまったら、プログラムの開発量が少なくなるのは当然であり、魅了されていたエンドユーザ層もより開発が盛んなプラットフォームに移ってしまうだろう。iPad2発売に際してAppleにはもう一度戦略を検討していただきたい5)
(小宮和寛)

注:
 1)Intel版10.5(Leopard)からは、The Open GroupによりUNIX環境と認定された。
 2)一度SunのOpenFirmwareによるブート画面を見てしまうとPC-BIOSの画面は正直ださい。Linuxのブート画面は実にセンスがない。あくまでも主観的な価値観なため読者は共感できないかもしれない。
 3)遺産という意味であるが、どちらかというと負の遺産であり、コンピュータ用語として使う場合は時代遅れだが、捨てることはなかなかできないという意味である。
 4)Cocoa APIと互換性があるAPI群が提供されているため、既存のMacのプログラマはiPadでも現在持っている知識を生かすことができる。
 5)もっとも本国のCEOが独断で決定するため、日本語で私がなにをいっても無駄であるが。
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