ざさいたま
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エディタあるいはワープロ

文章を書く

 文章を書くのも上手くない私が語るのも烏滸がましいが、エディタとワープロでは果たしてどちらが文章の作成に好ましいかを考えてみたい。勿論、原稿用紙に書くという方もいる。原稿用紙に書ける程文章の作成に練達した方なら、エディタとワープロという極めて形而下1)な問題かもしれない。原稿用紙に書き慣れていない私からすれば極めて切実な問題なのである。
 エディタなのか、あるいはワープロなのか、その優劣を見極めたい。その為にエディタとワープロについて簡単にまとめてみる。

エディタ

 エディタとは編集するものの謂いである。コンピュータ分野に於いては、編集するソフトウェアのことを指す。編集の対象となるものは、特別なバイナリファイルのこともあり得るが、概して汎用的なプレーンテキスト2)が対象となる。
 エディタはプレーンテキストを扱うため、プログラムのソースコード、設定ファイル等を扱うことが得意である。高機能なエディタ3)もあるが、基本的な構造はごくシンプルであり、そのため軽快に動作し、作成した文章はエディタが違ったとしても互換性がある。

ワープロ

 ワープロは文章の作成に特化したソフトウェアである。エディタと同様にテキストファイルを作成することもできるが、プログラムの作成等には向かない。エディタと違い直接テキストファイルを扱わないため、不要な情報がテキストに含まれたり、文字をコード単位で制御できないため予想もしない動作をしたりする。
 しかし、文書の作成に置いては様々な支援機能が備わっている。文字の大きさを変えたり、文字を任意の位置に持ってきたり、画像を挿入出来たり、エディタには無い様々な特徴がある。さらに、研究者には有り難い本文と註釈を連動させる機能等が備えられている。
 ただし、ワープロで作成した文章は専用のバイナリ形式であり、基本的に他のソフトウェアでは互換性がない。

結論は見えているようであるが

 ここまでくると結論は見えているようである。ワープロの方が文章作成に向いていそうだ。しかし、実際に二つのソフトウェアを使い文章を書くと悩ましい問題があるのである。ワープロは文章の作成支援機能は充実しているが、内容よりも体裁を気にしたり、何処に新しい機能があるか絶えず利用者を誘惑したりする。支援機能が利用者を虜にするのである。また、レイアウトを制御することもできるが、専用のソフト程の能力を持っておらず、印刷業者が作成するそれのようにレイアウトすることはまず出来ない。
 一方エディタは、テキストファイルを作成することしかできない。そのため利用者を誘惑することはまず無い。動作自体がシンプルであるため、極めて軽快に文章を書くことができる。また、ファイルは共通のテキストファイルであるため、ファイルさえあれば何処のコンピュータでも編集することができる。
 そうはいうものの、ワープロについている支援機能は捨てがたい。註釈連動機能やルビ機能など、ワープロでしたほうが効率がいい場合もある。汎用性を武器にしたエディタに対して、専門性を武器にしたエディタも侮れないのである。
 ワープロ、エディタそれぞれに長短があり、文章を作成する場合に於いても、どちらのほうが優れているとは言い難い。私はまだ、どちらが優れていると断定するほど勇気はない。言い難いというよりも、ここで断定することは極めて危険だ。問題は利用者が作成する文章の性質を見極め、どちらの方が用途に叶っているか、判断したほうが無難である。エディタとワープロの共存関係は続きそうである。
(小宮和寛)

注:
 1)この用語は物質的なものを指すが、殆どくだらないという意味で使われている。
 2)一般的に認知されている文字集合の符号化方式に則ったテキストファイル。
 3)emacs等。
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